目次でしょうに
はじめに~いつから18歳成人式は行われるか~
法務省のページ(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00238.html)によれば、
A 成年年齢を18歳に引き下げることを内容とする「民法の一部を改正する法律」は,2022年4月1日から施行されます。
2022年4月1日の時点で,18歳以上20歳未満の方(2002年4月2日生まれから2004年4月1日生まれまでの方)は,その日に成年に達することになります。 2004年4月2日生まれ以降の方は,18歳の誕生日に成年に達することになります。
法務省
A 成人式の時期や在り方に関しては,現在,法律による決まりはなく,各自治体の判断で実施されていますが,多くの自治体では,1月の成人の日前後に,20歳の方を対象に実施しています。
成年年齢が18歳に引き下げられた場合には,そもそも18歳の方を対象とするのか,高校3年生の1月という受験シーズンに実施するのか,2022年度は3学年分同時に実施するのかといった問題があると指摘されています。
政府としては,成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議において,関係者の意見や各自治体の検討状況を取りまとめた上で情報発信し,各自治体がその実情に応じた対応をすることができるよう取り組んでいきたいと考えています。
法務省
現在は2020年1月だ。そのため、「18歳成人」が開始されるのは、2年後ということになる。しかし、成人式をいつ開催するのかは、決まっていないようだ。上記の法務省のページにもあるように、18歳で成人式を行うと受験シーズンと被ってしまう。現行の入試制度の場合、具体的には、成人式の一週間後が大学入試センター試験である。
成人式の開催日程~なぜ一月実施なのか~
どうしても「18歳成人式」を行うなら、成人式を3月にずらす必要がありそうだ(流石に受験日程をずらすわけにはいかない)。成人式の日程は各自治体で決めることができる。秋田県の場合、例えば、成人式は8月に行われる。冬だと雪が多く、不便だという。(詳細:https://weathernews.jp/s/topics/202001/090185/)。地方では、帰省の関係から1月13日の成人の日よりも前に開催される例が多い。
成人の日(1/13)が1月に設定されている理由としては、この時期は小正月であり、かつて元服の儀が小正月に行われていたため、それに合わせることとした(1948年公布・施行の祝日法)。
現代における成人式の意味合い
私が思うに「成人式=元服の儀」という意味合いは、現代には薄れてしまっているのではないだろうか。そもそも学年歴で成人式は行われるため、「成人年齢」になってから半年以上時間がたってしまった人や、まだ成人年齢に到達していない人など様々存在する。あくまで、小学校、中学校の旧友と再会する「公式の同窓会」という意味合いのほうが強いだろう。私自身、正直なところ、エライ人のお話はほとんど覚えていない。覚えているのは、旧友との再会や、中学校時代の恩師のビデオレターくらいだ。中学時代の私は、今ほど目立つ存在ではなかった。それでも旧友との再会は、嬉しかった。成人式で暴れる若者が多いということが、かつて話題になった。これも成人式を「同窓会」くらいにしか思っていない若者が増えたために起こったことだろう。
やっぱ成人式は20歳でしょうに!
18歳時点で成人式を行っても、あまり盛り上がらないと思う。「大学受験で忙しいから」というのも、確かに理由の一つに当てはまると思う。仮に3月に実施したとしても、浪人を行おうとしている人は、あまり成人式に行きたいと思わないだろう。
それだけではない。成人式をあくまで「公式の同窓会」とみなすのであれば、中学卒業からある程度時間がたっていないと盛り上がらない。18歳で「同窓会」を行うとすると、中学卒業から3年しかたっていない。中高一貫校の学生は、高校の友達で集まるのが一般的だ(小学校時代は受験で忙しく、中学になると地元の公立中学に友達がいなくなるから)。その場合だと、いつものクラスメイトと「同窓会」をすることになり、なにも盛り上がらない。
成人式は「同窓会」の要素が強くなったとは雖も、人生の重要な節目になることは間違いない。旧友と再会しお互いの成長を、お酒を飲みながら称えあう。この楽しい一日を、次世代の若者も感じ取ってほしい。
さいごに
「成人」の年齢は各時代によって異なる。『源氏物語』には12歳で元服した光源氏が書かれている。成人年齢が20歳であるという普遍性はなく、むしろ18歳を成人年齢としたほうが、若いうちから社会の一員としての自覚と責任が持てるという点で有意義だと思う。しかしながら、それぞれの若者の思い出も大切にしてほしい。小中学校時代という「黄金時代」を旧友と振り返るという側面が成人式にあることを忘れてはならない。
質疑応答
成人年齢のあなたはそう感じるかもしれません。しかし年齢を重ねたあなたはどう思うか。「やっぱり行っておけばよかった」と後悔しても、そこから成人式に参加することはできません。「行って後悔する」よりも「行かなくて後悔する」ほうがダメージは大きいでしょう。